A Taste of Music Vol.322019 03

Contents

◎Live Review
 
Väsen

◎Recommended Albums
 
Bassekou Kouyate & Ngoni Ba『Miri』
Eric Bibb『Global Griot』
Jean-Philippe Rykiel & Lansine Kouyate『Kangaba-Paris』

◎Coming Soon
 
Danny Kortchmar, Waddy Wachtel, Leland Sklar, Russ Kunkel & Steve Postell
“The Immediate Family”

◎PB’s Sound Impression
 
Back-loaded horn speakers by FOSTEX

構成◎山本 昇

Introduction

「2019年グラミー賞」雑感

 今日は日本のオーディオ・ブランド、フォステクス(FOSTEX)のショールーム「エクスペリエンス・ストア二子玉川」にやって来ました。フォステクスは、スピーカーやヘッドフォンなどの分野で世界的に有名で、自作スピーカーを楽しむ人にとっては特別なブランドでもあるそうですね。僕自身は日曜大工的なことはからっきし苦手ですが(笑)、そういう世界が存在することは知っているし、好きな人にとってはとても充実した趣味であろうことは理解できます。そして、僕にとってヘッドフォンは仕事をするうえでも欠かせない道具の一つで、いまはパッドが大きめの密閉型のものを使っています。番組で長時間使用していると、オン・イヤー・タイプだと耳が痛くなってしまうんです。さて、今日は“バックロード・ホーン”という特徴のあるスピーカーを試聴できるそうですが、一体どんな音がするのでしょうか。後ほどじっくり聴かせてもらいましょう。

 ところで、今年もグラミー賞が発表されました。グラミーは昨年、何かとブーイングを受けていました。女性が少ないとか、新しい音楽が十分に反映されていないとか。まぁ、それは昔からのことですけど、今回はアリシア・キーズがメインの司会をしたり、慌てて修正したようにも見えましたね。でも、全体的にはいつものグラミー賞だなという印象でした。何と言っても、授賞式はアメリカの3大ネットワークの一つであるCBSが全国放送する番組の一つですから、テレビ局は視聴率を稼いで広告を取りたいわけで、結果はさもありなんという感じでしょう。僕としては音楽的に興味を持てるところがあまりなかったかな。

 ただ、そんな中でもちょっといいなと思った人もいます。例えば、ジャネール・モネイ。受賞は逃しましたが、最優秀アルバム賞にノミネイトされた彼女の『Dirty Computer』を聴くと、歌は上手いし、ヴィデオで見せる踊りも上手くてルックスもいい。最近のR&B系の女性ヴォーカリストには、「そんなに噛みつかないで」と言いたくなるような攻撃的な感じの人が多い中で、ジャネール・モネイは僕みたいに歳を取った人間が聴いても怖くない(笑)。そういうところもよかったです。また、最優秀R&Bアルバム賞を獲得した黒人の新人女性ヴォーカリスト、H.E.R.(ハー)の「Hard Place」という曲もよかったですね。今回のグラミーではこの二人の音楽に出会えたことが収穫でした。

 そして、ちょっと面白かったのは、最優秀ラップ・ソングで初めてグラミーを受賞したドレイクのスピーチです。ほかのラッパーたちに向けて「こんな賞はもらわなくてもいい」というメッセージを発していました。「一生懸命チケットを買って聴きに来る人たちがいたり、曲が売れたり、自分のホームタウンで有名になったりしていればそれで十分成功と言える。このような賞を獲らなければならない理由はないんだ」と。ドレイクはこれまで、グラミーにはことごとく縁がなく、あれだけ売れていても受賞することはありませんでした。まぁ、それに対する批判もあったんでしょうね。

 グラミーにはその他にも様々な賞がありますが、今年の最優秀フォーク・アルバムはパンチ・ブラザーズの『All Ashore』でした。昨年の「Live Magic!」に出演してくれたバンジョー奏者のノーム・ピケルニーも受賞の挨拶でおかしなスピーチをしていました。トロフィーを手にして「我々はもう10年もやっているのに、遅い!」と言いながらも、賞は「受け取るよ」と(笑)。授賞式にはメンバー5人のうち3人しかいなくて、欠席したリーダーのクリス・シーリーは、「どうせジョーン・バエズに負けるなら、離れていたほうがいいから」と言っていたそうです(笑)。もう一人、ベイシストのポール・カワートは「正直、ノミネイトされていることすら知らなかった」って(笑)。このように、グラミーそのものをちょっとおちょくるような人たちもいるわけですね。

 思えば、フォーク部門はわりといつも充実しています。受賞したのが誰かはともかく、ノミネイトされる面子がとてもいい。売れようとしている人はあまりいなくて、自分のやりたいことをやっている人が多いんです。今回はそのジョーン・バエズもノミネイトされていて、彼女は今年で78歳ですが、ジョー・ヘンリーがプロデュースしたアルバム『Whistle Down The Wind』はとてもよかったですね。楽曲はトム・ウェイツなどからいいものを選んでいて、ミュージシャンも素晴らしかった。同じく最優秀フォーク・アルバムにノミネイトされたルイジアナ出身の女性シンガー・ソングライターのメアリー・ゴーシェイは、イラク戦争の退役軍人やその奥さんたちと一緒に曲を作るというちょっと変わったアルバム『Rifles & Rosary Beads』を出しました。戦争について、それを経験した人たちの立場から歌ったもので、興味深いものがありました。また、最優秀アメリカーナ・アルバムにノミネイトされたジョン・プラインの『The Tree Of Forgiveness』もいいアルバムでした。このように、僕はいつも、グラミー賞は授賞式よりノミネイションのほうが面白いと思っています。自分の好きなジャンルについて、好きなアーティストや作品がノミネイトされると嬉しくなりますしね。

 ちなみに、最優秀アルバム賞を受賞したケイシー・マスグレイヴズのような音楽を、僕は“アメリカン演歌”と呼んでいます。何年経っても変わらないアメリカのポップ・ミュージックのスタイルがあるのですが、グラミーには毎回毎回、必ずこういう人が出てきます(笑)。それを良しとする人もいるでしょうけれど、僕にはあまり新鮮味がありません。

 そして、最優秀レコード賞と楽曲賞をダブル受賞したチャイルディッシュ・ガンビーノの「This is America」。これ、楽曲としての面白さはどれくらいあるのでしょう。例のヴィデオのインパクトは大きいけど、楽曲としては別にどうってことはないと僕は思います。ゴスペルっぽい部分とラップが一緒になっているところはちょっと新鮮ではあったけど……。訴えているのは、アメリカのいいところが次々に殺されているということでしょう。ただ、ラップの部分は歌詞がちょっと聴き取りにくかったりして、映像がなければ彼が何を言いたいのかが今一つよく分からない。正直なところ、僕にはそんな印象でした。映像はショッキングだけど、確かによくできていると思います。この受賞には、トランプ政権に対するグラミーからのメッセージが含まれている可能性もありますね。ただ、この二つの賞と最優秀アルバム賞、最優秀新人賞の主要4部門は、アカデミー会員が全員投票しますから、グラミーが決めたというわけでもないような気もします。

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パンチ・ブラザーズ『All Ashore』

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Live Review

アクースティック・トリオが聴かせたアット・ホームなアンサンブル

Väsen at 近江楽堂(Oumigakudou)

 今年もすでにいろんなライヴを観ましたが、また一つ印象に残るいいステージがありました。スウェーデンのヴェーセンが東京オペラシティの中にある近江楽堂で行ったコンサートです。近江楽堂は天井がドームになった小さな会場で、自然のリヴァーブが印象的でした。東京オペラシティにこんな空間があったのを初めて知って、ちょっと驚きました。

 ヴェーセンは、活動を始めてからもう30年になるアクースティック楽器の3人組です。Vol.17でもご紹介したように、2016年にも来日公演がありましたが、僕が彼らの存在を知ったのは5年くらい前でした。彼らの音楽の出発点はトラディショナルな曲だったようですが、2作目くらいから、すでにオリジナル曲を作り始めていて、変拍子を使ったり、いわゆるプログレっぽい要素もあります。そして、使う楽器がどれも普通とはひと味違うものなので、それぞれ特徴を見てみましょう。

 まず、ウーロフ・ヨハンスンが演奏するニッケルハルパはすごく変わった弦楽器です。見た目はヴァイオリンに似ていて、弓で弾きます。弦は全部で16本。メロディを弾く弦はヴァイオリンと同じく4本で弦高が高くなっていて、その他は共鳴弦と言われるものです。4本の弦の音程を変えるのは、ヴァイオリンのように指で弦を直接押さえるのではなく、弦に対して垂直に伸びているタンジェントと呼ばれる木製のレバーのようなものを押さえます。ウーロフのニッケルハルパはそのレバーが3列も備わっていて、それを左手で鍵盤のように操ります。その運指がまたすごくて、度肝を抜かれます(笑)。

 音楽監督を兼ねるミカイル・マリーンは5弦のヴィオラを弾きます。最初は普通に4弦のヴィオラを弾いていましたが、複数のチェリストと共演していたときに、バッハのある曲を演奏していたら、弦がもう1本必要だということになったらしいのですが、ちょうどそのときに5弦ヴィオラを作った人が現れ、即購入したそうです。それ以来、ずっと使っていると言っていました。

 そして、もう一人はローゲル・タルロートというギタリストです。ヴェーセンが結成される前の10年間はヴァイオリンを弾いていたのですが、ウーロフにギターを弾いてくれと頼まれてギタリストに転向したそうです。彼が弾くのは12弦ギターですが、チューニングがユニークです。元々はヴァイオリニストなので、普通のチューニングだとそれまでの音感とかけ離れているから居心地が悪いらしく(笑)、いろんなチューニングを試して、通常は低いほうからE・A・D・G・B・Eですが、A・D・A・D・A・Dというとても変わったものに落ち着いたそうです。アイリッシュ・フォークなどではD・A・D・G・A・D、いわゆる“ダッドガッド”チューニングがよく用いられますが、それともまた違うものですね。低音弦がDの場合はEを緩めて1音下げればいいのですが、Aはそれより下ですから、これはベイス・ギターの音です。このグループには低音専門の楽器を弾く人がいませんから、ローゲルがギターの低音弦を使ってその役割を果たしているんですね。ライヴでは、彼だけが小さなアンプを使います。それでさらに低音を強調しているようです。そんなことも含めて、普通とはちょっと違う面白さがあるグループなんですね。

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『Brewed』THE MUSIC PLANT MPKM041

 今回はそんな彼らの30周年記念ということで、その近江楽堂で2月1日から4日間にわたって5公演が行われ、彼らの活動歴を五つの時代に分けて特集しながら新しい曲も織り交ぜるという趣向でした。5公演すべての通しチケットを買った人も10数人いたそうです。このグループは一度好きになると、かなりマニアックに追いかけたくなるらしく、ある日本人の女性はイギリスに暮らしているのにこのためだけに帰国してきたと言っていました。僕は初日の公演を観たのですが、とてもアットホームな雰囲気の中で、充実した感じのとてもいいライヴでした。会場の音響もよかったですね。

 では、彼らのアルバム『Brewed』から、ミカイルの50歳の誕生日を祝うためにウーロフが作った曲「IPA-Gubben」を聴いてみましょう。ちなみに“IPA”はインディア・ペール・エール、つまりクラフト・ビールのことで、ミカイルはクラフト・ビールが大好きなのだそうで(笑)、曲名は“クラフト・ビールおたく”を表しています。アルバム・タイトルも“醸造された”という意味ですからね。コンサートでも最後のほうで演奏していました。それにしても、この人たちの演奏力はどうでしょう。僕は生演奏を聴いて一発で好きになりましたが、CDで聴いてもこのアンサンブルは素晴らしい。フォーク系のミュージシャンには、練習の度合いが違うのかどうかは分からないけれど、本当に上手い人が多いですね。そして、このスピーカーは、そんな彼らの音をくっきりと再現してくれています。

◎Information

ヴェーセンのニュー・アルバム『Rule of 3』が輸入盤ライナーノーツ封入仕様(THE MUSIC PLANT MPKM042)で4月14日にリリース予定!

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ヴェーセンのメンバー。ウーロフ・ヨハンスン、ローゲル・タルロート、ミカイル・ マリーン(左から)

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「このバックロード・ホーン・スピーカーは優れたダイナミック・レンジも特徴です。非常に軽い振動板を用いることで微細な音を上手く再生できるうえ、特殊な箱の構造によって迫力のある大きな音も出せます。今日はそのあたりもお楽しみください」(ショールームのマネージャー荒谷正司さん・左)

Recommended Albums

ポーランドの歌姫と名うてのサックス奏者による共作

Anna Maria Jopek & Branford Marsalis『Ulotne』

 今回も、いくつかお勧めのアルバムをご紹介したいと思います。まず1枚目は女性ヴォーカリストのアンナ・マリア・ヨペックがブランフォード・マルサリスとの共同名義で2018年の10月に出した最新作『Ulotne/幻想』です。ポーランド生まれの彼女の音楽はジャズと言えばジャズ。ヨーロッパ的ですけど、とてもいいヴォーカリストです。このCDのブックレットはポーランド語と英語、日本語の3ヵ国語で表記されていますね。まずは3曲目の「Niepojęte i Ulotne / おぼろげ」を聴いてみましょう。ミノ・シネルという有名なパーカッショニストもすごくいい音してますね。そして、ブランフォードのソプラノ・サックスは、ソロが始まったときにスピーカーから飛び出るような感じの音でした。素晴らしいですね、このスピーカーは。

 CDの解説によると、ブランフォードとは以前から共演しようと話していたようです。そこで2015年にコンサートを共にしたところ、それがすごく上手くいったので、その日の深夜の1時〜4時までスタジオを押さえ、いいミュージシャンを集めてレコーディングしたら、アルバムの半分くらいはできたそうです。でも、残りの半分を録音するまでには2年弱かかってしまったそうですが、もう一度集まることができて、最初のセッションと同じ集中力で録音し、アルバムを仕上げることができたということです。

 ヨーロッパのジャズ・シンガーである彼女には、アメリカの黒人のようなジャズ・フィーリングではなく、どちらかというとバラード歌手の雰囲気がありますが、フレージングやタイミングを聴くとれっきとしたジャズの歌手だと感じます。そして、ブランフォードのほうは、ヴォーカリストのサポートで本領を発揮するミュージシャンだなとつくづく思いました。かつてスティングのソロ・アルバム『Dream Of The Blue Turtles』に参加したことで、ジャズ・シーン以外の人たち−−僕もその一人ですが−−からも注目されるようになりましたが、あれからもう35年くらいが経っているんですね。一時期は彼もヒップホップの世界に顔を出したり、いろんなことをやっていましたが、最近はお父さんのエリス・マルサリスと立ち上げたレーベル「Marsalis Music」を中心に、マイペースに地道な活動を続けているようです。

 アンナ・マリア・ヨペックはずいぶん前に、僕が朝にやっていたFM番組にゲストで出てくれたことがあるのですが、そのときのプロモーション担当だった人につい最近、あるイヴェントでお会いしたところこのCDのことを教えてくれて、聴いてみたら予想以上に良かったんですね。そしてこのCDは、このスピーカーとの相性も抜群だったので、このショールームに置いておいてもいいかもしれません(笑)。

 ちなみに、ポーランドは僕の父が生まれた国でもあり、これまで一度も行ったことがなかったのですが、ようやく今年、初めて訪問することになりそうです。

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アンナ・マリア・ヨペック&ブランフォード・マルサリス『Ulotne / 幻想』DISKUNION AMJ001

西アフリカの伝統音楽をモダンなテイストで

Bassekou Kouyate & Ngoni Ba『Miri』

 次は西アフリカのマリ出身のンゴーニ奏者、バセク・クヤテの最新作『Miri』です。ンゴーニ・バはバンドの名前です。では、日本盤では“友情”と表記されている2曲目の「Deli」を聴いてみましょう。この弦楽器ンゴーニは不思議な感じを抱くと思いますが、ジャケット写真にもあるように、とても素朴な楽器です。ボディは木でできていて、ヤギなどの動物の皮が張ってあります。そして、ネックは木の棒のようなもので、それがボディに挿してあります。弦は4本だったり3本だったりするようです。フレットも何もない、本当に素朴な手作りの楽器で、大きさはウクレレより少し大きいくらいでしょうか。西アフリカでは大昔から、グリオという伝統音楽集団の世界で歌の伴奏として使われていました。通常はどちらかというとリズム・ギター的な役割ですが、バセク・クヤテは現代的な弾き方もする人で、ときにはリード・ギターのようなフレーズも披露します。前作ではワウ・ペダルなどのエフェクトも使っていました。演奏はとにかく上手いです。

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ンゴーニ・バの面々。左から2人目がバセク・クヤテ[photo by Thomas Dorn]

 ンゴーニ・バは基本的に家族グループで、デビュー・アルバム『Segu Blue』(2007年)には兄弟や息子も参加していました。今回は6人のうちクヤテ名義の人は3人入っています。一人はカラバスという大きな瓢箪(ひょうたん)を切って半球型にした打楽器を演奏するマクタル・クヤテで、この楽器もいろんな素晴らしい音を奏でることができます。アフリカには単純な構造からすごい音を出す楽器が多いですね。そして、バセクの息子のマドゥ・クヤテはベイス・ンゴーニを弾いています。もう一人、ミディアム・ンゴーニ奏者もいるようですから、ンゴーニ奏者は3人いるわけですね。そして、リード・ヴォーカルのアミ・サコはバセクの奥さんです。

 今回は曲ごとにいろんなゲストが参加しています。マリの有名なヴォーカリストのアビブ・コワテやアフェル・ボクームをはじめ、アフリカ勢も多いのですが、スナーキー・パピーのマイケル・リーグがギターを弾いていたり、ブルーグラス界で知られるフィドル奏者のケイシー・トリースンも入っていたり、けっこう面白い顔ぶれとなっています。

 グリオに属してはいるものの、このアルバムのようにモダンなテイストを感じさせるのが彼らの音楽の特徴です。ただ、使っている楽器は伝統的なものなので、素朴な土臭さが残っているんですね。とにかく最初に聴いたバセク・クヤテの『Segu Blue』は僕にとってものすごい衝撃で、ンゴーニという楽器のことは知っていましたが、ここまで格好良く演奏する人が出てきたかと驚きました。彼らが出演した2013年のフジロックは、それを目当てに観に行ったものです。できれば「Live Magic!」にも呼びたい人たちですが、ちょっと人数が多すぎるかな(笑)。

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バセク・クヤテ&ンゴーニ・バ『Miri』RICE Records OHR-7162

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バラフォンの独特の歪みも心地よい即興的なデュオ

Jean-Philippe Rykiel & Lansine Kouyate『Kangaba-Paris』

 次はジャン=フィリップ・リキエルとランシネ・クヤテの作品『Kangaba-Paris』です。やはりマリのミュージシャンであるランシネ・クヤテは、先ほどのバセク・クヤテと、もしかしたら遠い親戚かもしれません。グリオは世襲制で、クヤテやシソコ、ジャバテなどいくつかの家系があり、主にお父さんから息子に技術が継承されます。だから、彼らの作品には同じような苗字がたくさん出てきます(笑)。では、5曲目の「Paroles De Sage」を聴きます。“賢者の発言”という意味ですね。この音楽は基本的にジャム・セッションのようなものだと思います。曲の大まかな構成は大体決まっているのでしょうけれど、ピアノとバラフォンだけでほとんど即興でやっている雰囲気ですね。この曲のピアノは、最初のほうはソフト・ペダルよりも音が短いから、もしかすると弦を手で押さえながら弾いているのかもしれません。

 西アフリカのグリオが演奏するバラフォンは、マリンバの原型と言える鍵盤打楽器です。歌の伴奏として、二つのマレットで叩いて演奏します。鍵盤の下に瓢箪(ひょうたん)がぶら下がっていて、音が共鳴するようになっています。しかも、瓢箪には穴が開いていて、そこに蜘蛛の卵膜などを張ることで独特の濁ったような歪んだ音になります。アフリカの人たちは、そんなふうに音が濁るほうが面白いと考えているようですね。そして、ピアノのほうも、きれいな音というよりは、あえて濁したようなニュアンスが感じられます。

 ピアニストのジャン=フィリップ・リキエルはフランス人ですが、アフリカのミュージシャンとよく共演しています。お母さんに、有名なファション・デザイナーのソニア・リキエルを持つ彼は、生まれつき目が見えません。もちろん、同じキーボーディストには、レイ・チャールズやスティーヴィー・ワンダーといった人がいますし、取り立ててそれがどうという話ではないのですけれど。

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ジャン=フィリップ・リキエル[photo by Claire de Virieu]

 僕にとってこのアルバムは、今日これまで聴いてきた作品のように座って鑑賞するような音楽ではありません。実はこれを最初に聴いたのはクルマの中でした。長野方面へのちょっとした遠出をするときに積んであった、まだ聴いていない何枚かのCDの中の一つだったんです。順番に聴いていって、3枚目くらいにこれが出てきたらすごくハマってしまって(笑)。そのときのドライヴの気分にもピッタリの音楽だったし、風景とも妙に合っていたんですね。そしていまも、例えばご飯を食べながらとか、友達と会話しているときとか、ミュージシャンには失礼かもしれないけど、何かしながら聴くとすごく気持ちがいいんです。そういう場面に必要な音楽というのもありますよね。この『Kangaba-Paris』は即興的とは言え、どこかユルい感じあって、それがいい。構えて聴く必要はないと思います。

 それにしても、このスピーカーはどんな音楽にもすごく寄り添ってくれる感じがしますね。

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ランシネ・クヤテ[photo by Manuel Lagos Cid]

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ジャン=フィリップ・リキエル&ランシネ・クヤテ『Kangaba-Paris』RICE Records BDR-7154

スウェーデンで活動するアフリカン・アメリカン

Eric Bibb『Global Griot』

 もう一つ、エリック・ビブが昨年末に出した2枚組のニュー・アルバム『Global Griot』を紹介したいと思います。彼はアフリカン・アメリカンのシンガー・ソングライターですが、長くスウェーデンを拠点に活動してきました。古いブルーズなどをフォークっぽく演奏し歌う人です。彼もまた、アフリカのミュージシャンと共演することが多くて、今回のアルバム・タイトルもずばり“グローバル・グリオ”というものですが、これがまたすごくいいんです。早速、Disc1の1曲目の「Gathering of the Tribes - featuring Solo Cissokho」を聴いてみましょう。彼のこの、すごくよく通る声の響きも僕は好きなんですよ。こうして聴くと声は若そうですが、実は僕と同い年です。元々はニュー・ヨークの生まれで、お父さんが歌手で、また、MJQのジョン・ルイスがおじさんだったりする音楽一家で、いろんな音楽を聴いて育ったそうです。そして、彼の現在の路線には、タージ・マハールの影響も大きいようですが、思えばタージ・マハールも昔のブルーズやアフリカの音楽をフォーク感覚で表現した人でもありました。

 エリック・ビブがアメリカを離れたのは、19歳です。現在もスウェーデンで活動していて、このアルバムにはスウェーデン人の奥さんウルリカ・ビブもバック・ヴォーカルで参加しています。そして、いま聴いた曲にもソロ・シソコというセネガル人のミュージシャンがコラと歌で参加しています。また、先ほどのバセク・クヤテのアルバムにも見られたマリの著名なシンガー・ソングライター、アビブ・コワテの名がこちらにも載っています。そのほかはスウェーデンのミュージシャンで、ピアノやヴァイブラフォン、スライド・ギター、ドブロといった楽器の奏者が曲ごとにゲストで入っています。

 全体的にすごく優しい雰囲気のあるアルバムで、曲によってはいまのアメリカに対するやや批判的なことも歌っていますが、攻撃的な感じではなく、肯定主義的な姿勢を感じさせます。かなり力の入ったこの2枚組、録音は「世界中の大好きなスタジオで行った」とのことで、フランス、スウェーデン、イギリス、アメリカ、ジャマイカ、カナダ、ガーナと7カ国に及んでいて、まさしくグローバルな作りと言えますね。

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エリック・ビブ『Global Griot』BSMF Records BSMF-2636

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Coming Soon

ダニー・コーチマー率いる“イミーディエット・ファミリー”が再来日!
Danny Kortchmar, Waddy Wachtel, Leland Sklar, Russ Kunkel & Steve Postell “The Immediate Family”

Billboard Live TOKYO
5/16(Thu)◎1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
5/17(Fri)◎1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30

Billboard Live OSAKA
5/13(Mon)◎1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30

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 昨年に続いて、ダニー・コーチマーがやってきます。かつてキャロル・キングやジェイムズ・テイラーのバックを務めたことで知られるギタリストで、基本的にはスタジオ・ミュージシャンです。1970年代には、キーボーディストのクレイグ・ダーギ、ベイシストのリーランド・スカラー、ドラマーのラス・カンケルとザ・セクションというバンドを結成しました。リーランド・スカラーとラス・カンケルは、今回来日する“イミーディエット・ファミリー”というバンドにも参加しています。そしてもう一人、ワディ・ワクテルというスタジオ・ミュージシャンが来日メンバーに加わっています。彼は1970年代に、リンダ・ロンスタットなどのレコーディングでも知られ、また、1980年代にはキース・リチャーズのエクスペンシヴ・ワイノーズのギタリストとしても活動していましたね。

 ダニー・コーチマーは1973年に『Kootch』、そして1980年にも『Innuendo』というソロ・アルバムを出しています。ただ、そうしたソロ作品で広く知られているかと言えば、そういうわけではありません。日本ではロック・マニアの間でわりと人気がある人ですが、アメリカでは一部の批評家を除けば、いわゆる知る人ぞ知る存在と言っていいでしょう。そんな彼に、日本のインディーズの老舗、ヴィヴィド・サウンドが久々のアルバム制作を持ちかけ、出来上がったのが2018年の5月に発売された『Honey Don't Leave LA』です。

 このアルバムでは新曲のほか、彼がソングライターとしてジェイムズ・テイラーと作ったタイトル曲や、自らプロデュースしたドン・ヘンリーのアルバムのために作った「Dirty Laundry」といった曲などを新たに録音しています。「Somebody's Baby」はジャクスン・ブラウンとの共作曲ですね。「New York Minute」はドン・ヘンリーらとの共作で、この曲はハービー・ハンコックが1996年に出した『The New Standard』というアルバムでもカヴァーされるなど、ダニー・コーチマーはソングライターとしての才能も随所で発揮しているんですね。昨年は『Honey Don't Leave LA』の発売後、6月に彼らの来日公演がやはりビルボード・ライヴ東京やZepp東京などで開催されました。

 ビルボード・ライヴ東京での公演は昨年12月にライヴ・アルバム『Live In Japan』として発売されましたので、今日はその中から「Machine Gun Kelly」と「New York Minute」を続けて聴いてみましょう。「Machine Gun Kelly」はダニーが、そして「New York Minute」はギタリストでもあるスティーヴ・ポステルが歌っていますが、歌はスティーヴ・ポステルのほうが上手ですね。しかし何と言っても、このバンドには上手なギタリストが3人もいますから(笑)、ライヴでもギター・ソロが充実しています。また、ダニーとラスとリーは50年ほど前から断続的ではあるものの一緒に音楽をやっていますから、彼らの息の合った演奏も聴きどころです。いまなお、スタジオ・ミュージシャンとして引く手あまたということですから、こういう企画でライヴが観られるのは嬉しいですね。ステージ・アクトという意味では、ワディ・ワクテルはロックン・ローラーの雰囲気を持っているので、観ていて楽しいです。ライヴでは、充実したリズム・セクションを含めて、メンバー全員の演奏力を楽しんでほしいですね。僕もまた行くと思います。

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『Honey Don't Leave LA』Vivid Sound VSCD3956

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『Live In Japan』Vivid Sound VSCD3961

PB’s Sound Impression

FOSTEXのショールームで注目の“バックロード・ホーン・スピーカー”を聴く
「アクースティック楽器の自然な響きが素晴らしい!」

「とてもいい音でした」とバラカンさんを唸らせたのは、フォステクスのショールーム「エクスペリエンス・ストア二子玉川」にある“バックロード・ホーン”タイプのスピーカー。自作スピーカーのファンから絶大な支持を集めるフォステクスのエンクロージャー(BK208-Sol)と20cmのフル・レンジ・ユニット(FE208-Sol)、そしてスーパー・ツィーター(T500A MKll)によって組み上げられた人気モデルの一つです。今日はこれにサブ・ウーファー(CW250D)を加えたシステムで試聴を行いました(編)。

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PB あらためて、このスピーカーの特徴を教えていただけますか。

荒谷 バックロード・ホーン型スピーカーは、箱の中で折りたたまれたホーン、つまりラッパの管に見立てた部分を通った音がフロント面の開口部から低音として出てくるという特殊な構造を持っています。先ほどもお話ししましたように、軽い振動板を使うことで細かい音の再現性が高く、ダイナミック・レンジが広いのも特徴です。

PB ダイナミック・レインジと言えば、少し前の『ニューヨーク・タイムズ』にこんな記事が載っていました。現代の音楽は昔に比べてダイナミック・レインジが狭くて、ラウドネスばかりを追求するようになってしまったわけですが、聴いていて疲れると感じる人が多くなり、最近は昔に戻ろうという動きが出てきているそうです。なるほどなと思いました。

荒谷 ただ一般的に、細かい音を表現できるスピーカーは大きな音が入力されると歪んでしまいがちで、逆に大きな音を出すのが得意なスピーカーは細かな音の表現が不得意だったりします。その点、バックロード・ホーン型スピーカーは微細な音の表現と迫力を両立させることができるので、最近では映画も鑑賞できるAVシステムに採り入れるユーザーも増えています。また、このスピーカーでは低音も含めて全体的にハイスピードなサウンドもお楽しみいただけます。

PB ハイスピードな音とは?

荒谷 振動板を軽くすることで、音の立ち上がりが非常に速く、逆に減衰するときもスッと鳴り止むという特徴があります。振動板が重いと、ダンプカーのように動き出しにくく、止まりにくいということになります。

PB なるほど。そういうメリットがあるのですね。

荒谷 ドド〜ンという地を這うような音は重い振動板のほうが出しやすいのですが、花火のパーンという破裂音や大きな和太鼓の音などは軽量の振動板が得意とするところで、すごく自然な音として飛び出してくる感じになります。ですから、今日選んでいただいたようなアコースティックな楽器が多い音楽とは相性が良く、バックロード・ホーンの楽しさを感じていただけたかと思います。

PB そうですね。どのCDもすごく自然な感じで聴けました。ところで、このスーパー・ツィーターは何Hzまで音が出るのですか。

荒谷 このモデルは大体4kHzから35kHzまで再生できます。

PB えー、そんなに上まで。そのあたりは耳には聞こえないわけだけど、感じることはできるんでしょうか。

荒谷 はい。アコースティック楽器だと倍音の領域の音を出していることになります。基音と2倍音、3倍音くらいまではこちらのフルレンジ・スピーカーでも再生できますが、さらに上の倍音をこうしたスーパー・ツィーターで鳴らすことにより、基音の聞こえ方も変わってきて、楽器の本来の音に近くなっていきます。例えばアコースティックなベースも高次の倍音はスーパー・ツィーターの領域まで届くんですよ。不思議に思われるかもしれませんが、超高域を加えることで、中低域に艶が出てリアルな音になってくるんです。

PB そうなんですか。そんな現象があるというのは初めて知りました。ただ、フル・レインジのスピーカーとスーパー・ツィーターは、再生できる帯域が重なる部分もありますよね。

荒谷 はい。フル・レンジのFE208-Solは20kHzあたりも出ますから、スーパー・ツィーターのT500A MKllとかぶる帯域もあります。そこは干渉を避けるため、スーパー・ツィーターの設置位置を変えたりして調整します。調整を間違えると、打ち消し合って高域が消えてしまいますから、そこはしっかりやる必要があります。

PB そうした判断は耳で聴いて行うのですか。

荒谷 耳でもできるのですが、今日はマイクも使って確認しました。

PB その調整はとても微妙な作業なのでしょうね。

荒谷 今回の領域だと、15mmくらいの範囲にいいポジションと悪いポジションがあり、その範囲を超えるとまた元に戻ります。最初は前のほうに置いて、少しずつ後ろへ下げていくのですが、下げすぎると、今度はスピーカーの天板の反射が出てきて良くない音になってしまいます。

PB 大変じゃないですか(笑)。

荒谷 でも、コツさえ掴めばどなたでもできますよ。

PB このバックロード・ホーン・スピーカーでも低音は十分に出ていますけど、サブ・ウーファーも必要ですか。

荒谷 ポップスやジャズといった音楽なら通常は特に必要ありません。ただ、ウッド・ベースのボディが鳴っている感じがほしいとか、ピアノ全体がドーンと響いているのを感じたいときにはお使いいただくといいかと思います。あとはホールで録音された音源の暗騒音なども再現されますので、そういう雰囲気を楽しみたい場合も有効です。クラシック作品では、演奏が始まる前にそういう音が入っているのが分かりますね。

PB 僕はサブ・ウーファーがなくても十分満足しました。

荒谷 バックロード・ホーンは能率がいいスピーカーとしても知られ、アンプのパワーがそれほどなくても、効率よく音が出せます。実は映画館にもこれと似たようなスピーカーが使われることも多いんですよ。バラカンさんの印象はいかがでしたか。

PB それぞれの楽器が、まるでこの部屋の中で演奏されているかのようなすごい存在感がありました。ユニット自体はそれほど大きいわけでもないのに、上から下までこれだけまんべんなく音が出ているのは大したスピーカーだと思いました。今日持って来た音楽は木で出来た楽器が多く使われていましたが、それらがとても自然に鳴っていましたね。どのCDもばっちりいい音で聴けて楽しかったです。

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スピーカーの特徴を分かりやすく解説してくれた荒谷正司さん

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バックロード・ホーンの歯切れの良い音は映像作品とも相性がいいという

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「これまでバックロード・ホーンという構造を意識して聴いたことはあまりなかったのですが、わりとシンプルなのにこれだけ幅広い帯域が忠実に再現されるのは、なんだかマジックな感じがして面白かったですね」(バラカンさん)

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今回の試聴で素晴らしい音を聴かせてくれたFOSTEXのバックロード・ホーン・スピーカー(BK208-Sol+FE208-Sol)と、その上部にセットされたスーパー・ツィーターのT500A MKll(中央)。「実はこの箱はフル・レンジ・ユニットのFE208-Solのポテンシャルからするとやや小さめで、これより大きな箱に入れることでもっと低音を出すことができます」(荒谷さん)

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CD再生に使用したOPPO BDP-105DとACCUPHASEのセパレート・アンプ

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「この大きさにしてはすごくいい音ですね」とバラカンさんも驚きを隠さなかったのは、8cmのフル・レンジ・ユニットFF85WKにバスレフ型スピーカー・ボックスBK85WB2を組み合わせた小型スピーカー。「音の迫力は大きなスピーカーには及びませんが、高域もきれいに出ていますし、低音も明らかに不足しているというほどではなく、音楽を楽しむには十分な再生が可能です」(荒谷さん)

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アンプ内蔵型のサブ・ウーファーはFOSTEX CW250D

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FOSTEXブランドの人気商品の一つであるスピーカー・ユニットも陳列されている

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世界有数のヘッドフォン・ブランドでもあるFOSTEX。「軽くて耳がスッポリ入るから、これはいいですね」と、放送の現場には自前のヘッドフォンを携帯しているというバラカンさん。写真は同ブランド伝統の平面駆動型振動板を採用したT60RP。高性能なモニター用モデルをリスニング向けにチューニングしている

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この日の試聴CDはバックロード・ホーン型スピーカーとの相性も抜群!

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スタッフの皆さんと。右から、フォステクスカンパニーの川畑裕明さん、エクスペリエンス・ストア二子玉川の荒谷正司さん、バラカンさん、フォステクスカンパニーの阿部好伸さん

◎主な試聴システム

バックロード・ホーン・スピーカー:FOSTEX BK208-Sol(スピーカー・ボックス)、FE208-Sol(20cmフル・レンジ・ユニット)、T500A MKll(ホーン・スーパー・ツィーター)
サブ・ウーファー:FOSTEX CW250D
プリ・アンプ:ACCUPHASE CX-260
パワー・アンプ:ACCUPHASE A-60
Blu-rayディスク・プレーヤー:OPPO BDP-105D

FOSTEXショールーム
エクスペリエンス・ストア二子玉川

定評あるフォステクスの各種スピーカーのほか、ヘッドフォンやイヤフォン、オーディオ・アクセサリーなど多彩な製品が多数陳列され、実際に試聴も可能。新製品の試聴会やプロジェクターを使った視聴会など様々なイヴェントも開催中。自作スピーカーに関する相談も受け付けている(予約はこちら

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住所:東京都世田谷区玉川3-9-3 Stream Tamagawa 1FA
営業時間: 11:00〜19:30
定休日:水曜(夏季及び年末年始休業あり)
Tel.03-6672-4145
http://www.xperience.jp/store/
https://www.fostex.jp/showroom/

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