A Taste of Music vol.122016 02

by LINN Japan
image Contents

◎Featured Artist
 
John Lennon

◎Recommended Albums
 
John Lennon『Power To The People:The Hits』
Charles Lloyd『I Long to See You』

◎Coming Soon
 
Lionel Loueke Trio
Rhiannon Giddens

構成◎山本 昇

Introduction

 2016年最初のA Taste of Musicは、ここLINN GINZAからお送りします。いつものように、まずは最近観たライヴのお話をしましょう。

 昨年の暮れ、すみだトリフォニーホールで「ケルティック・クリスマス2015」を観ました。毎年楽しみにしているケルト音楽の祭典で、今回もアルタンやダーヴィッシュといったグループが出演したステージは見応えがありましたが、特に印象に残ったのがウィー・バンジョー・スリー(We Banjo 3)という若いグループです。このところ、アイルランドを中心に人気を博している彼らは、アイリッシュの伝統音楽に、ブルーグラスを中心とするアメリカのルーツ・ミュージック、さらにロック的な要素を加えた新しいスタイルが特徴です。アイリッシュとブルーグラスというと意外な組み合わせと思うかもしれませんが、そもそもブルーグラスはアイリッシュ・ミュージックのルーツの一つですから、全く無理はありません。

 曲はインストもあればヴォーカルものもあり。バンジョーとギター、フィドルなどを演奏する、いわば“アクースティック・ルーツ・ロック・バンド”です。ライヴでの躍動感もあってなかなかかっこいいし、客席を大いに盛り上げてくれます。しかも、来日に際して、彼らは日本語を特訓してきたらしく、MCをほとんど日本語で行っていました。本当にエライと思います。二組の兄弟からなる4人組なのはグループ名とは異なりますが(笑)、最初はそういう編成だったらしいですね。ヴォーカルはけっこうイケメンだし声もいい。僕はこのグループは伸びると思います。とても一生懸命で演奏力がすごく高くて、やる気もある。かなり期待できる存在なので、僕も応援したいです。

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「ケルティック・クリスマス2015」のウィー・バンジョー・スリー[写真提供:プランクトン/撮影:石田昌隆]


 そしてもう一つ印象に残っているのが、ジョン・レノンの命日である12月8日から6日間、東京・六本木のEXシアターで開催された『LENNON』という一風変わった音楽ショウです。1992年頃から始まったというこのショウは、オーストラリアやイギリス、アメリカで開催されてきたもので、日本では今回が初公演となりました。初めは一体どんなステージなのかと思いましたが、なかなか見応えのあるものでした。

 出演者はたった二人だけ。背の高いジョン・ウォーターズがギターと歌とセリフを担当、ステュワート・ディアリエッタは主にピアノ演奏を行います。ジョンの生涯が音楽と語りで綴られていくのですが、面白かったのはジョン・ウォーターズの話し声。彼はイギリスで生まれ、オーストラリアで活動する俳優であり歌手なんですが、アクセントがジョン・レノンそっくり(笑)。もう、完全になりきっている感じで、ジョンが話すときの独特のクセをよく研究しているなと思いました。ちなみに、ビートルズの面々はみんな、話し方に独特のアクセントがあります。同じリバプール訛でも、それぞれに雰囲気が違うんですよ。ジョンの話し方は何というか、フランクなんだけど、どこかパンクっぽいところがありますね。

 セリフの内容は、ジョンが人生の中で迎えるいろいろな節目での心境など。例えば、当時のマスメディアで描かれた人物像と実際のジョンにどれだけギャップがあるかを、半ば呆れ気味で話したりするわけです。スクリーンには日本語訳も表示されて、つまり台本があるわけですが、プロンプターや楽譜を見ているようなそぶりはなく、まるでアドリブでしゃべっているような迫力があり、すごく説得力のあるステージでした。演奏は、ピアノとアクースティック・ギターだけだから素朴なものではあるんですが、それはそれでとても親密なムードを醸していて面白かったです。

 僕にとってジョン・レノンはリアルタイムで聴いてきたミュージシャンだからわりと分かるほうだけど、そうじゃない世代の人たちにはジョンがどんな人物だったのかは、一般的なメディアで描かれたイメージでしか知らないかもしれません。最近では2011年に公開された『ジョン・レノン,ニューヨーク』など、ジョンを題材にしたドキュメンタリー映画もいろいろあるけど、少なくともそこで明かされた事実を知らない人がこのショウをいきなり観たら、かなりの衝撃を受けることでしょう。そういう意味では十分に価値のあるショウだと思いますね。

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『LENNON』のステージから。ジョン・ウォーターズ(右)とステュワート・ディアリエッタ[写真提供:キョードー東京]

Featured Artist John Lennon 傑作アルバム『ジョンの魂』と、いわく付きの『ロックン・ロール』

 というわけで、今回のFeatured Artistはジョン・レノンを取り上げたいと思います。まずは、このLINNの最新のオーディオ装置で、ベスト盤『ザ・ヒッツ~パワー・トゥ・ザ・ピープル』から「インスタント・カーマ」をハイレゾで聴いてみましょう。この曲は、シングル用にフィル・スペクターがプロデュースしたもので、ハイレゾもいいのですが、僕にとってはアナログの7インチ・シングル盤で聴くのが一番かな。思い込みかもしれないけれど、今のところ、あの45回転独特の音に勝るものはないような気がします。それにしても、この曲の音はいかにも“ウォール・オブ・サウンド”の雰囲気ですよね。アラン・ワイトのドラムも素晴らしい。これを聴くと、「ジョン・レノンはやっぱりロックン・ロールだな」と思います。

 続いて、同じくハイレゾで『ジョンの魂』から「マザー」を聴いてみます。この曲は、伯母さん夫婦によって育てられたジョンが、自動車事故で亡くなった実のお母さんのことを想って歌にしたもので、その心の叫びが最後のリフレインにも現れています。ビートルズ解散から間もなく発売されたこのアルバムを、当時19歳だった僕は買っていません。この「マザー」があまりに生々しくて、ちょっと怖くもあり、「今は聴きたくないな」と感じたんです。『ジョンの魂』を手に取れるようになったのはずいぶん後になってからのことで、ようやくこれがすごいレコードだと感じられるようになりました。今ではジョンのソロの中では一番の傑作だと思っています。

 ジョン・レノンのソロ・アルバムといえば、いわく付きのカヴァー・アルバム『ロックン・ロール』がありますね。ファンの間では知られた話ですが、このアルバムは、ビートルズ『アビイ・ロード』の「カム・トゥゲザー」がチャック・ベリーの「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の盗作ではないかという、アメリカ音楽界のマフィア、モリス・リーヴィの訴えが発端になったと言われています。では、「カム・トゥゲザー」は、本当に「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の盗作なのでしょうか。実際に聴き比べてみましょう。まず、曲調は全然違いますね。そして、歌詞ですが、「ユー・キャント・キャッチ・ミー」の一部に“He come a flattop he was moving up with me”とあり、「カム・トゥゲザー」の歌い出しは“He come old flattop he come grooving up slowly”。たったこれだけなんです。この程度なら普通はオマージュだと理解されて終わる話なんですよ。でも、ヤクザまがいのモリス・リーヴィが難癖を付け、訴訟は結局、ジョンがその新作--つまり『ロックン・ロール』というカヴァー集--で、リーヴィが権利を持つ楽曲を収録することで和解。実際に「ユー・キャント・キャッチ・ミー」、「スウィート・リトル・シックスティーン」、「ヤ・ヤ」といったリーヴィが管理する曲のカヴァーが入っています。まぁ、しかし、このアルバムには「スタンド・バイ・ミー 」の素晴らしいカヴァーも収録されているから、決して無駄なレコードではないと思います。

 ジョンのソロでは、『心の壁、愛の橋』に入っている「夢の夢」も僕は大好きです。1974年の録音で、ちょっとモコッとした感じもするけど、好きな音です。コード進行も面白く、ストリングズの使い方がビートルズ時代のジョージ・ハリスンっぽい雰囲気もあります。「真夜中を突っ走れ」もいい曲ですね。

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「LINN GINZA」の2階にある、豪華客船の船室をイメージしたという落ち着いた雰囲気の視聴室

Recommended Alubums John Lennon『Power To The People:The Hits』シングル曲を抜きにしてジョンは語れない

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ユニバーサルミュージック TOCP-70909

 ジョンのソロ作品のどれをRecommended Albumとするかは難しいのですが、僕はあえてベスト盤の『ザ・ヒッツ~パワー・トゥ・ザ・ピープル』を選びたいと思います。各アルバムの主立った曲が網羅されているし、とてもいいコンピレイションです。もちろん、アルバム単位で聴くことにも意義はありますけど、元々はアルバムに入っていなかったシングル曲もたくさんあり、少なくとも僕にはこれらの曲を抜きにジョン・レノンを語ることはできません。また、冒頭にも言いましたように、最近ではソロになってからのジョンの曲を聴いたことがない人も多いようですが、そんな人にもまずはこのベスト盤をお薦めしたいと思います。

 言うまでもなく、僕の青春時代はビートルズありきで、そのメンバーの中でも最も刺激的な存在だったのがジョン・レノンです。僕はこれまで、いろんなミュージシャンにインタヴューをしてきましたが、滅多に緊張することはありませんでした。残念ながら、ジョンに話を聞く機会はなかったけれど、もし会っていたら、きっと硬くなって何も言えなかったでしょう(笑)。それぐらい影響を受けた人であり、僕にとっても大きな存在です。ミュージシャンとしてはもちろん、自分の名声を平和活動のために使ったことも尊敬できます。また、恐らく有名人として初めて、いわゆるハウス・ハズバンドを実践したことも注目に値すると思います。僕自身もこの考え方には影響を受けました。「これでいいんだ」と、一つの前例となってくれたのです。

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今回も、レコードやライヴにまつわる楽しいお話を聞かせてくれたバラカンさん

Recommended Alubums Charles Lloyd『I Long to See You』ヒッピー文化の匂いを感じさせる大御所の最新作

 Recommended Albumにもう一枚、今年の1月に出たばかりのチャールズ・ロイドのリーダー作『アイ・ロング・トゥ・シー・ユー』を紹介します。独特の雰囲気を持つチャールズ・ロイドは僕が大好きなサックス奏者の一人です。この新作は、新しくザ・マーヴェルズ(The Marvels)というクインテットとして録音され、チャールズ・ロイドはテナー・サックスと曲によってフルートを演奏しています。ベイスはルーベン・ロジャーズで、ドラムズがエリック・ハーランド。そして、ギターにビル・フリゼルと、スライド・ギターのグレッグ・リースが参加しています。ベイスとドラムズはこのところよく一緒にやっている面子ですが、二人のギタリストはなかなか興味深い人選と言えます。

 では、この“とてもあなたに会いたい”というタイトルの新作から1曲目の「Of Course, Of Course」を聴いてみます。この曲は、1965年に録音した曲の再演ですが、この明るい変形ブルーズといった感じのメロディはほとんどオーネット・コールマンのような趣で、そこへ急にペダル・スティールの音が出てくるのがこの人の面白いところです。そして本作には歌入りも2曲収録されていて、「Last Night I Had the Strangest Dream」にはウィリー・ネルスン、そして「You Are So Beautiful」にはノーラ・ジョーンズのヴォーカルがフィーチャーされています。「Last Night I Had the Strangest Dream」はわりと有名なフォーク時代の反戦歌で、さらに「Shenandoah」というアメリカの有名なフォーク・ソングも取り上げていて、チャールズ・ロイドにしては珍しい選曲ですね。そして5曲目の「Sombrero Sam」も、1966年のアルバム『Dream Weaver』に収録されていた曲の再演です。せっかくのビル・フリゼルだからということなのか、この曲はギターのイントロをとても長くとっていますね。本人の演奏がなかなか出てこない(笑)。アルバム全体としても、ゆったりとした感じの仕上がりになっています。

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 今年で78歳になるチャールズ・ロイドはかつて、70年代にカリフォルニアのビッグ・サー(Big Sur)でヒッピー生活をしていました。太平洋に面した、とてもきれいな海岸線で知られるこの場所に引き籠もり、その時期は音楽活動から遠ざかっていたようです。しばらくして活動を再開させたチャールズ・ロイドには、なんと言うか、吹っ切れたような軽やかさを感じます。昔の彼も僕は好きですが、余計なものを削ぎ落としたかのような感じもいいですね。

 実はビル・フリゼルは僕と同い年で1951年生まれなのですが、彼も若いときにはチャールズ・ロイドの影響を受けているらしいです。60年代のチャールズ・ロイドと言えば、先ほどの『Dream Weaver』や『Forest Flower』(1966年)などがあり、これらは僕やビル・フリゼルが高校生の頃に出たジャズのレコードなのですが、なんとなく当時のヒッピー文化の匂いを感じさせるものがありました。そして、ジャズなのに、なぜか高校生の僕らにも分かりやすいレコードでもありました。雰囲気的に、マリワナの匂いがするのかな(笑)。とにかく、当時からすごく親近感を持てるサックス奏者だったんです。ちなみに、この頃のチャールズ・ロイドの作品には、まだ無名のキース・ジャレットやジャック・ディジョネットが名を連ねています。

 ヒッピー文化は、ロックの新しい動きにも影響を与えていたし、同じ時期に同じサンフランシスコから届けられたのがチャールズ・ロイドのレコードでした。それ以前にキャノンボール・アダリーとやっていたときのことは知りませんでしたが、「この音楽は面白い」と感覚的に好きになりました。2013年にECMから出た『Hagar's Song』もすごく良くて、やっぱりこの人の音は肌に合うと思いました。そして今回の新作も、僕はすぐに気に入って、早くも僕にとっての今年のベスト・アルバムの予感がする一枚です。

Coming Soon Lionel Loueke Trio

 ハービー・ハンコックに見出されたジャズ・ギタリスト、リオネル・ルエケがトリオで来日します。2015年11月にはブルーノート・レーベルから、社長のドン・ウォズ自らプロデュースしたニュー・アルバム『GAïA』を出しましたが、来日メンバーもこの録音と同じで、ベイスのマッシモ・ビオルカーティ、ドラムズのフェレンツ・ネーメトとのトリオでの公演となります。この人の作品は、リズムが鋭角的というか、「テンポはどうなってんの?」っていう曲も多くて(笑)、初めは少し難解に感じられるかもしれません。僕も今作の1曲目「Broken」でのギター・シンセのような音にはたじろぎました(笑)。恐らく、初っ端から一発喰らわせてやろうという意図なのでしょう。そして、最後の曲は唯一のカヴァー曲でビージーズの「How Deep Is Your Love?」ですが、これもリズムを含めてかなり凝った編曲となっています。彼は西アフリカのベナン出身のミュージシャンですが、ニューヨークに移ってからはハービー・ハンコックにもよく起用されていますね。ハンコックがジョーニ・ミッチェルに捧げた、グラミー最優秀アルバム賞受賞作『リヴァー』でギターを弾いているのもリオネル・ルエケなんですね。2013年にはロバート・グラスパーがプロデュースした『Heritage』を出しましたが、今回のアルバムはそれ以前の感じに戻っています。

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 先ほども言ったように、やや前衛的というか……誰からも好まれるタイプのギタリストではないかもしれませんが、彼が作る曲はリズムがとても面白いんです。それは、頭で考えるのではなく、身体でくっついていくとその面白さが理解できます。やはりコットンクラブで観た、2007年の初来日公演はとても衝撃的でした。リズムもメロディも、次の展開が全く予測できない。もし、セロニアス・マンクがギタリストだったらこんな感じだったのかなと、その時に思ったのを覚えています。逆に言うと、1940年代に登場したマンクがいかに革命的だったかということでもあるのでしょうけれど……。それはさておき、リオネル・ルエケは初期の頃から気に入って聴いていたので、僕も今回の日本公演が楽しみです。刺激的で、ちょっと変わった味わいのあるギターを聴きたい人にお薦めしたいライヴです。

Coming Soon Rhiannon Giddens

 ライヴ情報として、もう一つ忘れてはならないのがリアノン・ギデンズです。カロライナ・チョコレート・ドロップスという3人組の黒人フォーク・グループのメンバーとして活動していましたが、ここ2年くらいの間にソロのミュージシャンとしても高く評価されるようになりました。そのきっかけの一つが、コーエン兄弟の映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』の音楽イヴェントへの出演でした。映画のサウンドトラックも担当しているT・ボーン・バーネットがイヴェントのプロデューサーでもあったのですが、彼女の才能に惚れ込んで、アルバムのプロデューサーを買って出たそうです。そうして出来上がったのが2015年に出たソロ・デビュー作の『Tomorrow Is My Turn』。僕もすごく気に入って、去年の年間ベスト10に挙げた中でも一番良かったと思うアルバムです。

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 ジャンル的にはフォーク、カントリー、ゴスペル、ブルーズ、さらにはジャズっぽいものまで多岐にわたっていますが、どれも見事に歌いこなしています。T・ボーン・バーネットが集めたミュージシャンも抜群だし、音作りもいい。そして彼女の歌は、すでに多くの人が絶賛しているから僕が言うまでもありませんが、とにかく技術も表現力も素晴らしい。パッツィー・クライン、ニーナ・シモーン、ドリー・パートンといったポピュラー音楽史に名だたる女性シンガーのレパートリーとして知られる曲を中心にしたこのアルバム。過去の偉人に対する一種のトリビュートというかリスペクトの念を持って、その伝統を受け継ごうとする彼女は、もしかしたら21世紀の偉人になる存在なのかもしれません。カロライナ・チョコレート・ドロップスは5年前にグラミーのフォーク部門で賞を獲っているのですが、今年のグラミーではこのアルバムも同じくフォーク部門で候補に挙がっています。そんな彼女が早くもブルーノート東京にやってくる。今年の目玉ライヴの一つになりそうなので、見逃さないほうがいいと思います。

PB's Sound Impression

 この日、バラカンさんが訪れたのは東京・銀座にあるショウルーム「LINN GINZA」。スコットランドが誇るハイエンド・オーディオ・メーカーLINN(リン)の音を実際に聴くことができる空間です。今回の試聴システムは、高性能なチャンネル・デバイダーや8チャンネルのパワー・アンプなどを内蔵するユニットMAJIK EXAKTBOX-Iを核に、左右それぞれ4チャンネル分のケーブルを接続してドライヴする4ウェイ・スピーカーMAJIK ISOBARIK、そしてネットワーク・プレーヤーMAJIK DSMという組み合わせ。今回のハイレゾ・ファイル(e-onkyo music提供)、CDリッピング、定額制の音楽ストリーミング・サービス「Tidal」(タイダル)からのデジタル音源を、LINNが独自開発したデジタル伝送方式“EXAKT SYSTEM”による精緻な音楽描写でじっくりと試聴しました。
 また、最新のネットワーク・オーディオを追求する一方で、LINNが大事にしているのがアナログの領域です。42年間、そのプロポーションを変えていないというアナログ・プレーヤーの音も聴いてもらおうと、バラカンさんの愛聴盤であるリトル・フィートの『セイリン・シューズ』をモービル・フィデリティの180g重量盤でご用意。ラインアップの中では比較的リーズナブルなMAJIK LP12で試聴しました。
「僕はオーディオ評論家じゃないから大したことは言えませんが、LINNのアナログ・プレーヤーと言えば、レコード・ファンにとっては憧れの的。このクラシックなデザインは本当に美しいんですよ。世の中にはとても仰々しい形のプレーヤーもありますが、僕はこういうシンプルなデザインが好みです」というバラカンさん。音の印象については、「このモービル盤は通常のレコードとかなり音が違いますね。マスター・テープはこんな音だったんでしょうか。一つひとつの楽器の分離が良くて、それぞれの輪郭がはっきり見える感じです」と語ってくれました。

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アナログ・レコードの良さに思わず顔もほころんで……
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金属の筐体を木枠で囲んだ美しいフォルムが人気のアナログ・レコード・プレーヤーMAJIK LP12はベルト・ドライヴ方式を採用

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今回はネットワーク・プレーヤーとして使用したMAJIK DSM(上)とEXAKTBOX-I

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アルファベット入力による検索も可能になった操作用ソフトはLINNオリジナルの「Kazoo」  

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デジタルもアナログも、高い解像度で聴かせるMAJIK ISOBARIK              

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1台のMAJIK ISOBARIKに8本(4チャンネル分)のケーブルがつながれる様はなかなかの迫力!

  • 試聴システム

    パワー・アンプ・ユニット:LINN EXAKTBOX-I ネットワーク・プレーヤー:LINN MAJIK DSM アナログ・レコード・プレーヤー:LINN MAJIK LP12
    スピーカー:LINN MAJIK ISOBARIK

  • LINN GINZA

    東京都中央区銀座2-4-17
    営業時間◎12:00~19:00(水~日・祝)
    定休日◎月・火曜(祝日は除く)

    http://www.linn-ginza.jp/

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